第1章 日常(楽紡)
それから、ご飯を食べ終え、楽が美来をお風呂に入れている間、紡は洗い物をする。
ふたりが出てくれば交代で、今度は紡がお風呂に入る。
皆のお風呂が終り、楽が買ってきたケーキを食べようと再びテーブルの席に着く3人。
ケーキを食べ始めると、思わず頰が緩む紡。
ケーキを食べる時の紡が好きな楽と美来がじっと紡の事を眺める。
「…ふたりして同じ顔してる…どうしたの?」
「「別に?」」
そんな会話をしたのも、今回で何度目だろうか…。
悲しものの、食べるのはあっという間で、最後の一口を惜しみながら食べる。
『ご馳走様でしたっ』
ケーキが食べ終われば、もういい時間。
美来がウトウトしているので、歯を磨かせてリビング用のお布団へ寝かせる。
今日はいっぱい遊んで、お手伝いをして、疲れてしまったのか、すぐに寝てしまった美来の額にキスをすれば、ビールを飲みながらすっかりまったりモードな楽の隣に座る紡。
美来が寝ると、楽は"男モード"に変身する。
そんな楽に未だにドキドキが隠せない紡はソファの隅にちょこんと座っている。
「紡、なんでそんな遠くにいるんだよ。早く来いよ」
「う…っ//」
楽に力強く引き寄せられれば、そのまま抱きしめられる。
朝の優しいハグも好きだけど、こういう少し強引なハグはいつまでたっても、ドキドキしてしまうのは仕方がない話。
テレビの音をBGMにして、ゆっくり過ごせなかったふたりの時間を埋めていく…。
強く抱き締め、キスをして、ふたり、求め合う。ーー
『楽、あのね、私…もうひとり欲しい、な…』
『もうひとりって……まさか、子供か?』
『う、うん…// でね、今日実は…』
『…!!よし、もっかいだ…っ』
『ん…っ//』
そしてふたりは再びソファに埋まるのだった。
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