第16章 パパと呼ばないで!?(3)
俺はさくらちゃんを追いかけようとしたけど智兄が「俺が行く」と言って出て行き、翔ちゃんと潤が他のお客さまに謝っていた
雅「すみません、クリーニング代はこちらで負担しますので」
女客①「何でさっきから雅紀くんが謝ってるの?」
ちょっと苦手な客に自分の事を言いたくなかったけど…
雅「…暫くうちでお預かりしてる子なので…」
女客①「えー!そうだったの!?」
女客②「あっ、ならクリーニング代より雅紀くんと一日遊びに行きたーい」
雅「えっ!?」
女客①「それいい!!ね、いいでしょ雅紀くん」
勝手な解決法を言われ、いい加減我慢の限界だった…
断ろうと思ったその時
翔「ざけんな!!雅紀は物じゃねーんだよ!!」
雅「し、翔ちゃん!?」
いきなり翔ちゃんが怒鳴りだし、着けていたエプロンを投げ捨てた
翔「潤!俺の事出入り禁止にして良いから言わせてもらうぞ!」
潤「翔兄さん、落ち着いて!」
翔「うるせー!こんな我が儘に付き合ってられるか!!」
女客①「な、何よ!あたし達は客よ!?客に対して店員がそんな言い方して良いと思って…」
翔「客なら何しても良いってのか!?あんた達が騒ぐ事でどれだけの人が迷惑してると思ってるんだ!!ちょっとは常識を考えろ!!」
・・・翔ちゃん、切れると怖えー…
女客②「あ、あたし達が何時迷惑かけたって言うのよ!」
女客①「そうよ!あたし達は雅紀くんに会いに来てるだけよ!」
翔「…あんた達、雅紀の何が好きなの?外見?」
女客①「え?な、何がって…」
翔「さくらちゃんは雅紀の外見が好きなんじゃない。内面に惹かれたんだ。だから、さっき雅紀が困ってるのが解って助けたいと思ったんだよ。外見しか見てないあんた達には解らなかっただろうけどね」
何も言い返せないのか、二人はうつ向いてしまった…