第14章 パパと呼ばないで!?(2)
智「…何だよ…これ…」
翌日、さくらちゃんの案内でアパートに来た俺達は絶句した
入り口の扉やら壁やら一面に張り紙が貼られていたからだ
その内容は…
和「…『金返せ!』『泥棒猫』…貼ったのは借金取りですね」
翔「…ひどいな…これは…」
さ「ママー、ママー」
さくらちゃんは見馴れているからか、気にする事もなく入り口の扉を叩いていたが、何の反応もなかった
そこへ…
男「…あんた達、その子の知り合いか?」
白髪頭の小柄なおじさんが声をかけてきた
智「まぁ、知り合いというか…」
潤「あの、あなたは?」
男「わしはここのアパートの大家だよ」
翔「大家さん、ここに住んでいる方は?」
男「昨日出ていったよ」
智「え!?」
昨日って事はさくらちゃんを俺に預けた後か!?
男「まったく、迷惑な話だよ。いくら借金があったか知らないが、借金取りが昼夜問わず押し掛けてきて大声で叫んでたんだ。他の住人は怖がって出て行くし、当の本人は5ヶ月も家賃を滞納するし…だから出て行ってもらったんだよ」
雅「出て行ったって何処に!?」
男「知らないよ、わしは。この部屋も次の住人に入ってもらうようにするためにしないといけないんだ。退いた退いた」
そう言って大家のおじさんは部屋の中に入っていった