第116章 retaliation(1)
~翔side~
翔「…ん…」
目を覚ますとそこは俺の知らない部屋だった
翔「何処だ…?ここは…確か俺は事務所にいた…」
そういえば書類整理をしてたら後ろから薬を嗅がされて…
何故こんな所にいるのか経緯を考えていたら
「よう…やっとお目覚めか?」
上から声が聞こえ、上を向くと男が1人佇んで俺を見下ろしていた
…何処かで見た顔だな…
何処かで会った気がした俺は、思い出そうと考えていた
「何だ…俺の事忘れたのか?お前とお前の兄貴のお陰で臭い飯を食わされたのにな…」
その言葉でこの男が以前、指定された場所と時間にカバンを運ぶ依頼をしてきた男だと思い出した(第15章)
翔「お前…確か渡部…」
渡「へぇー…名前まで覚えてたのか…流石だな。お前の兄貴はそこまで覚えてなかったのにな。まあ、聞く前に殺っちまったがな」
翔「!?智くんに何をした!」
すると男は上着のうちポケットから銃を取りだし
渡「この銃で腹を撃ち抜いてやった。とどめを射そうとしたが、誰か来やがったから止めたがな。まあ生きちゃいねーだろ」
そんな…智くんが…まさか…
…いや、とどめを射す前に誰か来たって事は、恐らく雅紀が来たんだろう…
まだ智くんが無事な可能性はある
翔「…俺をこんな所に連れてきてどうするつもりだ…俺もその銃で殺すのか?」
渡「それでも良いが、それじゃ面白くないからゲームでもしようと思ってな」
そう言って俺の腕の拘束を何故か外してきた
俺はそのまま立ち上がろうとして足枷が着いていて、その先は鎖で固定されているのに気がついた