第115章 この気持ちを伝えたい
祖母「雅紀覚えてる?あなたが初めてお爺さんに会った時、何を言ったのか…」
雅「え?」
初めて会ったのって…母ちゃんが死んで大野の父ちゃんと一緒にジイチャンに会った時の事…?
祖母「雅紀を連れてきた時、お爺さんは激怒してあなたを施設に入れろと叫んでたの…でもあなたはそんなお爺さんに向かって『ジージ…何で泣きそうな顔してるの?』って…」
智「え?怒ってるジイチャンに?」
祖母「そう…私達も驚いたわ。で、その時お爺さんを見るとうっすらと涙を滲ませてたの」
…全然覚えてない…
潤「…きっと雅紀兄さん会長の目を見た時、直感的に悲しそうな目をしていたのを感じたんだね」
和「だから大野の籍に入れることも認めたんですね…でも、よく気がつきましたね翔兄さん」
翔「雅紀がさっき、会長と会って機嫌が悪くなるのを見たくないって言ってたのを聞いて、もしかして雅紀は会った事もないのに勝手に決めつけてるんじゃないかって思ったんだ。あとお花さんが初めて会った雅紀が解ったって事かな」
え?そうだったっけ?
潤「そういえば雅紀兄さんには、雅紀さんですね?って言ってた…俺と翔兄さんはあとのお二人はって…」
智「確かに最初から雅紀の事解ってた言い方だよな」
翔「多分雅紀の顔写真を見たんじゃないですか?」
祖母「ええ、私の部屋に智と和也、あと雅紀の写真を貼ってあるわ」
翔「そんな解る所に雅紀の写真を貼ってるのに、会長は何も言わないって事は嫌ってないって事だろ?でなければ剥がすように言うだろうし」
祖母「…雅紀、あなたに見せたい物があるわ」
雅「見せたい物?」
そう言ってバアチャンは俺達を2階に案内した