第111章 思わぬ出会い(7)
智「え…?じゃあこの件はもう良いのか?」
翔「うん」
その日の夜、帰ってから皆に俺の気持ちを伝えた
潤「良いって…結局は翔兄さんの父親が櫻井社長かどうかははっきり解らなかったし、何故神社に置き去りにされたかも解らなかったんでしょ?」
翔「そうだけど、もう良いんだ。社長は俺の事息子だろうと言ってくれたし、婦人に関しても何らかの事情があったんだろうと思うし…だから、ここまで調べてもらった皆には申し訳ないけど、これで終わりにしたいんだ」
智「まぁ…翔くんがそれで良いなら…」
雅「じゃあ翔ちゃんは今まで通りで良いんだね!」
…何か雅紀一人嬉しそうにして他の皆は腑に落ちない顔をしてるな…
翔「皆なんて顔してるんだよ。俺は『大野翔』なんだから」
和「翔兄さん…」
翔「それより、社長と会って気になった事があったんだけど…」
潤「気になった事?」
翔「社長が和也の兄は智くんだけだと思っていた事と、面識のない雅紀が和也の従兄弟になる事は知っていたっていうのが気になって…」
和「あ、それ私も気になりました。ちょっと矛盾してるな…って」
それに雅紀の名前を聞いた時のあの驚きよう…
ちょっと尋常じゃなかったよな…
潤「…確かにちょっと気になるね…まるで会った事はないけど知ってるって感じだよね」
翔「その割には驚き方が半端なかったけどな」
和「雅紀兄さん…一体何やらかしたんですか?」
雅「酷っ!俺無実だよ!」
俺達が帰る時は普通にしてたけど…何かあったのかな…?