第98章 明けない闇、新たな光(4)
~雅紀side~
雅「えーーーっ!?翔ちゃんが櫻井コンツェ…むぐっ!」
和「大馬鹿!!声が大きいでしょ!!」
驚きのあまり大声を出したら和から口を塞がれた…
けど和ちゃん大馬鹿は酷いっ!(涙)
潤「大丈夫…翔兄さんまだ事務所から戻ってないよ」
智「まだ確定ではないんだ。翔くんには聞かれない方が良い」
和「解ったんですか?雅紀兄さん」
雅「ふん!ふん!」
俺が思い切り頭を縦に振ると和は手を離した
潤「でも会長の態度を聞く限りは智兄さんの言った事に肯定したようなもんだよね」
雅「ただそうだとして、何で翔ちゃんは捨てられたの?」
智「そこまでは解らない…」
和「でも、櫻井コンツェルンがここまでの企業になったのって最近ですよね?」
智「そうだな…」
潤「じゃあ翔兄さんを捨てた時はまだそんなに大きくなかったんだ」
和「そんなに…というか殆ど聞いた事ないと思いますよ」
それでもやっぱり許せない…
まだ甘えたい盛りなのに親に捨てられて…翔ちゃんがどれだけ傷ついたか…
智「雅紀…」
雅「何?」
智「気持ちは解るけど早まった事はするなよ?向こうは大野グループと肩を並べる程の企業だ。下手するとこっちが打撃をくらうようになる」
雅「…うん…」
…智兄に先手を打たれちゃった…
ホントにこんな時の智兄って鋭いよな…
そんな話をしていたら突然
翔「あーーーっ!智くん戻ってたの!?」
智「え!し、翔くん!?」
翔「戻ってたなら声かけてよ!さっきこの間の依頼の件でって方がきたけど、俺解らなくて対応出来なかったんだから!」
智「ご…ごめん…」
(全員の心の声)…び…びっくりした…
翔「…?」