第98章 明けない闇、新たな光(4)
翔「…なぁ…さっき皆で何を話してたんだ?」
雅「え!?な、何って…」
夕食後、自分の部屋にいたら翔ちゃんが訪ねてきて、さっきの話の事を追及された
ど、どうしょう…
返答に困っていたら
翔「…もしかして…アイツの事言ってたのか?」
雅「え?」
アイツって…もしかして海里の事?
…まぁ…海里の事も話してたから間違いではないよな…
翔「…違うのか?」
雅「あ…いや…そうなんだけど…」
そうゆう事にしておこう
翔「俺なら大丈夫だから…智くんが会長に呼ばれたのってその事?」
雅「うん…アイツ、イタリア支社に行くんだって」
翔「イタリア?」
雅「ジイチャンがアイツに一から出直せって…向こうで成果をあげるまで戻ってくるなと言ったらしいよ」
翔「そうか…」
その時の翔ちゃんは、どこかホッとしたような表情をしていた
雅「だからもう大丈夫…」
翔「何で会長はそこまでしてくれたんだろう…」
雅「え?」
翔「今回の事、まるで俺とアイツを遭遇させない為みたいじゃないか…しかも身内のアイツをイタリアに…普通なら逆じゃないか?」
…違う…ジイチャンは翔ちゃんの為というより自分の為に…
でもまだ確証はない…
雅「まぁアイツも今まで好き勝手にやってたから、ちょうど良いんじゃない?多分ジイチャンもそう思ったんじゃないかな?」
翔「そう…なのかな…」
翔ちゃんはまだ納得してないようだったけど、俺からはもうこれ以上は言えなかった
雅「そんな不安そうな顔しなくても大丈夫だよ。俺が側にいるから」
翔「雅紀」
そう言うと翔ちゃんは突然…
<チュッ>
雅「…え?」
俺の口に軽く口付けてきた
翔「お、おやすみ!」
そう言って顔を真っ赤にした翔ちゃんは走って出ていった
雅「…うそ…翔ちゃんから…キス…」
あまりに突然の事で暫く固まったいたけど、だんだん頭が覚醒してきた
雅「や…やったーーーっ!」
あまりの嬉しさに大声をあげたら
和「煩いですよ!今何時だと思ってるんですか!!」
って言いながらドアを開けて入ってきた和から分厚い本を投げつけられた
…わざわざドアを開けて投げなくても…(涙)