第97章 明けない闇、新たな光(3)
智「…まさかアイツが翔くんにまで接触してくるとはな…」
動物園から意識ない翔ちゃんを連れて帰り(海里は何か言ってたけど無視して帰った)そのまま寝かせていた
和「きっと私の宛が外れたからでしょうね」
潤「…やっぱり2、3発といわずボコボコにしておけば良かった…けど何で翔兄さんに?」
雅「…ジイチャンが翔ちゃんの事高く評価してるから、橋渡しにさせるって言ってた…」
智「無駄な事を…ジイチャンが一度決めた事は覆さないの知ってるだろうに…」
俺は翔ちゃんの頭をソッと撫でながら翔ちゃんの寝顔を見つめていたら、涙が止まらなくなっていた
和「…大丈夫ですか?雅紀兄さん…」
雅「翔ちゃん…守ってやれなくてごめんね…」
智「雅紀…」
暫くそうしていたら
翔「…ん…」
雅「翔ちゃん!?」
翔ちゃんがうっすらと目を開けてきた
潤「翔兄さん大丈夫?」
翔ちゃんは何も答えずじっと潤の顔を見つめていた
そして突然起き上がり
翔「潤!お前手は大丈夫なのか!?」
潤「え…手って…?」
そんな事を叫ぶから俺達皆面食らっていた
翔「お前の右手だよ!アイツに踏まれて鈍い音してたじゃないか!」
和「もしかして翔兄さん…記憶が…」
…え?
潤「記憶が戻ったの!?翔兄さん!」
翔「記憶って…何言ってんだよ!それよりお前の手…!」
雅「翔ちゃん!翔ちゃん!」
雅「え…ま、雅紀…?どうしたんだ…?何で泣いて…」
俺は思わず翔ちゃんの事を抱き締めていた
その時の翔ちゃんは訳が解らないっていう顔をしていた