第97章 明けない闇、新たな光(3)
~雅紀side~
雅「翔ちゃん翔ちゃん!あれ見て!あの猿子供連れてるよ」
翔「ん…」
俺は色々あって元気がない翔ちゃんを連れて動物園に来ていた
雅「…翔ちゃん…つまんない?何処か別の場所に行く?」
翔「え?」
雅「さっきから翔ちゃんずっとそんな感じだから…」
すると翔ちゃんは申し訳なさそうな顔をして
翔「ごめん…大丈夫だよ。ただ何で動物園なんだろうって思って…」
雅「あはは…実は前に皆でここに来た事があるんだけど、その時翔ちゃん楽しそうにしてたから…」
翔「そう…なんだ」
そう言うと翔ちゃんは辺りをキョロキョロとしだした
雅「翔ちゃん何処か行きたい所はない?海でも山でも」
翔「海とか山って…お前今から行ったって遅くなるだろ…大丈夫だよ…ありがとう雅紀」
そう言って翔ちゃんは微笑んでくれた
雅「翔ちゃん、喉乾かない?俺何か買ってくるよ」
翔「いや…大丈…」
翔ちゃんと話をしている途中で翔ちゃんの表情が変わった
雅「翔ちゃんどうし…」
翔ちゃんが見据えている方向を見るとそこには
海「…よう…雅紀に翔」
雅「海里…何故お前がここにいる」
何故か海里が立っていた
海「お前らが仲良く出掛けるのが見えたから後を付けたんだ…まさか動物園とはな…お前らしい」
雅「…何の用だ」
海「お前に用はない。翔に用があるんだ」
雅「翔ちゃんに?」
何で翔ちゃんに今さら…
海「何故か会長は翔を高く評価してるからな…俺の会長候補の橋渡しをさせようと思ってな」
雅「ふざけるな!そんな話…!」
俺が怒鳴り付けたその時、俺の後ろにいた翔ちゃんが
翔「ああっ…ああーーーっ!!」
雅「翔ちゃん!?」
翔ちゃんが突然叫びだし取り乱していた
翔「やあっ!嫌ーーーっ!!」
雅「翔ちゃん落ち着いて!」
翔「あっ…」
雅「翔ちゃん!」
翔ちゃんは俺に倒れかかって意識を失っていた