第97章 明けない闇、新たな光(3)
~智side~
智「そうか…やっぱりアイツが…」
和「はい…ありがとうございます智兄さん。兄さんの機転のお陰で何事もありませんでしたから」
和也と潤が帰宅して、今日あった事を聞かされた…
まさか俺も早速行動を起こしてくるとは思わなかったけどな…
潤「全く…ホントならもう2、3発殴りたかったけど、アイツ逃げ足だけは速いんだよな」
…和也が絡むとキツいな潤は…
和「あの…智兄さん」
智「ん?」
和「実はさっき海里と話をした後にちょっと気になった事があるんですが…」
智「気になった事?」
和也はそう言って回りを伺っていた
和「…翔兄さんは?」
智「気分転換に雅紀が連れてった」
和「なら大丈夫ですね…実は翔兄さんの出生の事なんですけど…もしかしてお爺さんは翔兄さんがいなくなった時のデメリットを考えて、何がなんでも大野グループに関わらせようとしてるんじゃないか…って思ったんです」
潤「デメリット?確かに可能性はあるけど…それって一体…?」
すると和也は真剣な顔付きで俺達を見据え
和「…ライバル社の子息とかではないですか?」
潤「ライバル社?何処の?」
その時ふと俺の脳裏に浮かんだのは
智「…櫻井コンツェルン…」
和「…はい」
『櫻井コンツェルン』はうちと同じで世界各地に支店を持ち、あらゆる事業を立ち上げてる…
成る程…可能性は十分あるな…
智「でもあそこは確か子供が2人いたよな?上が女で年の離れた弟が1人」
潤「それに何でそんな大手が子供を捨てるの?」
和「解りません…ただ可能性があるだけです」
…それとなく調べてみるか…