第96章 明けない闇、新たな光(2)
~和也side~
智『兎に角、また向こうが何を言ってくるか解らないから極力翔くんは一人になるな。雅紀も出来るだけ側にいろ』
そう言われ事情がよく解らない翔兄さんは不思議そうにしていた
和「…やっぱり俺が戻るのが一番手っ取り早いのかな…」
…でもそうなると…
和「…潤くん…」
恐らく潤くんとは一緒にいられない…
舞台稽古で劇場に来ていた俺は休憩時間中モヤモヤとしていた
その時
劇団員「和くーん!お客さんよー!」
和「客?」
劇団員「応接室にお通ししてるって」
和「…わかりました」
客?誰だろう…
指定された応接室に行きドアをノックして中に入るとそこにいたのは…
「久しぶりだな…和也」
和「…海里…」
何故か海里が座っていた
海「そんな嫌そうな顔するなよ。従兄弟だろ?」
和「…お前が潤くんと翔兄さんにした事を思えば当たり前の反応だろ…何しに来た?」
海「つれないなー…せっかく取引に来たっていうのに」
…取引?
和「…一体何の…」
すると海里はニヤリと笑い
海「…お前と潤の関係を会長にバラされたくないだろ?」
…!?俺と潤くんの関係って…何でコイツが!?
和「…どういう事だ?」
海「いくら会長が隠し事が嫌いだからって言っても、お前らの関係までは言ってないんだろ?でなきゃ可愛い孫の和也をそそのかした潤は、とっくに除籍させられてるハズだしな…」
コイツ…俺を脅迫しに来たのか…?