第96章 明けない闇、新たな光(2)
潤「…ねぇ智兄さん…会長からの話ってそれだけ?」
智「…何で?」
潤「だってそれだけにしては智兄さんの疲れ方おかしくない?何か言われたんじゃないの?」
え?何かって…?
智「…ホント鋭いなお前…さすが翔くんと長年兄弟やってるだけあるよ」
どういう事?ジイチャンが何を…
潤「…隠すって事は今の話よりもっと翔兄さんに関係する事…だよね?」
雅「え!?智兄どういう事!?」
智「バカ、声が大きい。翔くんが気付くだろ」
だって…思わず声が出ちゃったんだもん…
雅「…智兄…解るように説明して」
智「…どうやらジイチャンは二宮がこれ以上何か言ってきた場合は、海外企業を翔くんに任せようと思ってるみたいなんだ…」
…は?
雅「なっ…」
潤「何それ!?話が違うじゃないか!翔兄さん出生を知りたければ経営に参加しろって言われたけど断ったんだよ!?なのに翔兄さんの記憶がないからって何で!」
俺が言おうと思った事潤が大声で言っちゃった…
和「潤くん!」
潤「え?」
翔「…俺の出生って…どういう事だ…?」
潤「あっ…!翔兄さん…」
和の声で振り返ると、キッチンの入り口で翔ちゃんが佇んでいた
智「…はぁー…せっかく翔くんには聞かせないようにしてたのにお前はなー…」
潤「ご…ごめん…」
…でも潤が言わなかったら多分俺が叫んでたよ…
翔「潤!俺の出生って何だよ!何で会長がその事を…!」
智「翔くん!俺達もその事は知らないんだ!潤を責めるな!」
翔「智くん…」
智「気持ちはわかるけど急いてはダメだ。この件に関しては俺が何とかするから…」
翔「・・・」
翔ちゃんは顔を沈ませて、ただ佇んでいた
そんな翔ちゃんに俺は何の言葉もかけられなかった…