第93章 もどかしい想い
~智side~
和『…と言う事なんです』
智「そうか…わかった」
事務所にいたら和也から内線電話が入って事情を聞いた
そっか…翔くん岡っちに会ったのか…
松兄には話してたけど、岡っちは捜査が立て込んでて会えなかったからな…
さて、どうするか…やっぱり全て話すか…
そんな事を考えていたら
<コンコン>
智「はい」
事務所の入口を誰かがノックしたけど、俺は何も考えないで返事をしていた
岡「おい大ちゃん!」
智「うわっ!お、岡っち!?」
(噂をすれば)岡っちが突然入って来た
岡「翔はいるか!?」
智「い、いや…ここにはいないけど…」
岡「喫茶店にもいなかったみたいだし…となるとやっぱり家か」
そう言って岡っちは事務所を飛び出そうとしていた
智「タ、タンマ岡っち!その前に俺の話を聞いてくれ!」
岡「…大ちゃんの話…?」
俺は岡っちをソファーに座らせて、その向かい側に俺も座った
智「岡っちが翔くんに会いに行きたい事情は解ってる…会ったんだろ?街中で翔くんに」
岡「ああ…でも何故か翔は逃げるようにして走って行ったんだ…」
確かに…そんな態度をとられたら気になるわな…
智「…岡っち…実は翔くん、ある出来事があって今記憶がないんだ」
岡「…は?記憶がない?ど、どういう事だよ!」
智「大野家に来て以降…つまり潤以外の事を全て忘れてる…だからさっき街中で岡っちに会った時解らずに逃げたんだよ」
岡「なんだよ…その出来事って…」
智「悪いがそれは言えない…これは大野グループに関係している事だから」
岡っちは事情を聞いても納得しているようには見えなかったが、これ以上俺には何も言えなかった