第89章 望まぬ指令(4)
海「何だ…和也か、久しぶりだな。相変わらず可愛い顔してるな」
和「…お前もその腐った性根は変わらずだな…」
海「ふん!その毒舌も相変わらずだな」
和は海里と軽く言葉を交わすと、そのままこっちに近づいてきた
和「潤くん大丈夫!?」
潤「バカ!和来るな!」
海「おいおい…何勝手な事してんだよ。お前も痛い目に遭いたいのか?それとも翔のように楽しませてくれるのか?」
そう言って海里は和の腕を掴んだ
潤「止めろ!」
和から海里を離そうと腕を伸ばしかけたその時
雅「和の手を離せ!」
雅紀兄さんとその横には智兄さんが立っていた
海「ちっ!智に雅紀かよ…」
男「どうします?海里さん…アイツらも片付けますか?」
海「…出来るならな」
男2人は雅紀兄さんと智兄さんの元に近寄っていった
潤「雅…!」
<バキッ!バキッ!>
…要らぬ心配だったな…
さすが雅紀兄さん…たった数発で男2人を倒しちゃったよ…
雅「翔ちゃん!大丈夫!?」
翔「雅…紀…お、俺より潤が…」
雅紀兄さんが翔兄さんの元に駆け寄ったその後ろから智兄さんが近づき、海里の正面に向き合った
智「よくも俺の大事な弟に手をかけてくれたな…海里…」
海「う…」
…何だ?あの海里の表情…
智兄さんは俺達に背を向けて立っているから、兄さんの表情は解らないけど…
海里…本気で怯えてる?
智「親族のよしみでこの場は見逃してやる…だが、二度目はないからな…覚えておけ」
海「…い、行くぞ!」
そして海里はその場を逃げるように走っていった
…智兄さん…凄いな…