第88章 望まぬ指令(3)
~翔side~
あの日から数日、買い出しに行きながら俺はずっと考えていた
…実際の所、俺はどうしたいんだろう…
雅紀にはああ言ったけど、会いたくないと言えば嘘になる…
何故俺を捨てたのか…
それを聞いてみたいっていう思いはずっとあった…
それに俺の本当の家族…
…一体どんな人なんだろう…
翔「ホント…今さらだよな…」
止めよう…俺の本当の家族は松本の両親に潤…
それに今は智くん達がいる…それで充分だ
俺は考えるのを止めて急ぎ買い出しに行く事にした
「…大野翔さん…ですね?」
翔「え?」
歩いていたら後ろから声をかけられ振り向くと
翔「んぅ!?」
「おい!急げ!」
突然口を押さえられ車に詰め込まれた
「大丈夫か?誰にも見られてないか?」
「大丈夫だ。急ぐぞ」
男2人に拉致されて口を塞がれたまま車は発進した
何なんだこの男達は…
…怖い…助けて雅紀…!
暫くして車は到着し、俺は車から引きずり下ろされ何処かの倉庫に連れ込まれた
「ほら、入れ!」
中に入ってようやく布を外された
翔「ぷはっ!お、お前ら誰なんだ!何故俺をこんな所に…!」
「お前を呼んだのは俺だよ」
翔「…え?」
声のした方に振り向くと、そこにいたのは
翔「お前…海里…」
二宮海里が立っていた
海「久しぶりだな翔…相変わらず美人だな」
翔「…俺をこんな所に連れてきて一体何の用だ」
俺の問いかけに海里は一瞬鋭い眼差しを向けてきた