第88章 望まぬ指令(3)
海「お前ら会長に直接言ったらしいな…候補から辞退したいって…」
翔「それがどうした…」
<バキッ!>
翔「うぐっ!」
突然海里から頬を殴られ、俺はその場に倒れ込んでしまった
海「余計な事しやがって…お陰でこっちまでとばっちりだ」
翔「…つっ…どういう意味だ…」
俺が問いかけると海里はしゃがみこみ
海「一昨日会長から言われたよ『お前には以前から和也を越えろと言っていたがその傾向は見られない…よってお前を候補から外す』ってな」
翔「事実だろ…ぐっ!」
俺が悪態をつくと海里はまた殴ってきた
海「会長が何故突然こんな事言ってきたのか解らなかった…それで調べたら数日前、お前らが直々に会長に候補から辞退すると言ったらしいな…大野グループとは血縁関係がないからと…」
翔「…成る程…それで同じ状況にあったお前もとばっちりで外されたって思ったのか…言っとくが、そう言うのを逆恨みって言うんだよ」
俺の言葉が癪にさわったらしく、海里は立ち上がり腹に蹴りを入れてきた
<ドカッ!ドカッ!>
翔「あぐっ!うっ!」
相当頭にきたのか無言で何度も蹴ってきた
…くそっ!俺はサッカーボールじゃねーぞ!
海「…折角ここまで築いてきた俺の苦労が水の泡だ…お前も余計な事しなければ優遇してやったのに…」
翔「…はぁ…じ…冗談じゃ…ねー…誰がお前なんかに…」
すると海里は俺を仰向けにし、そして着ていたシャツに手をかけて破ってきた
翔「!?な…!」
海「この間は邪魔が入ったからな…今日は楽しませてもらうぜ」
…この間の…まさか!
翔「や…やめろーーーっ!」