第86章 望まぬ指令(1)
その日の夜、海里が来たことを智くん達に話した
すると三人揃って
『絶対近づくな!!』
…と言われた(特に雅紀に念押しされた)
だから極力注意するようにしてたんだけど…
海「よう」
…まさか便利屋に来るとは思わなかった…
翔「何の用だ?俺は忙しいんだ。お前に関わってる暇はない」
海「そんなに邪険するなよ。折角お前に会いに来てやったのに」
翔「頼んだ覚えはないし、ハッキリ言って迷惑だ」
海「言うねぇ…まぁそんな所が気に入ったんだがな」
気持ち悪い事言うな!!
海「そう睨むなよ。なぁ…物は相談だが、お前俺と手を組まないか?」
翔「…は?どういう事だ?」
海「俺が大野グループを継いだら、お前を俺の専属秘書にしてやる。悪い話じゃないだろ?」
翔「お断りだ。智くんか和也なら喜んでやるがな」
海「そういえば智のやつ、松岡のプロポーズ受けたって?それも会長の承認を受けて」
翔「…それがどうした?」
海「何で会長はこんな馬鹿げた話承認したと思う?」
…突然何言ってんだ?コイツは…
翔「…何が言いたい…」
海「会長は智の事どうでも良いと思ってるんだよ。普通可愛い孫に同姓からの求婚なんて認める訳ないだろ。会長は智には大野グループ次期会長は無理だと思ってるんだよ」
成る程…智くんを失脚させたいのか…
翔「俺はそうは思わない。智くんは行動力があって色々とそつなくこなせるし、和也にしたって頭が切れて判断力もある…どっちにしてもこれ程適任者はいないと思う」
そう…俺なんかより二人の方が遥かに適任なんだ…