第84章 智の決意
結局その日の夜、俺は一睡もする事が出来なかった
智「…おはよう」
潤「おはよう…智兄さんどうしたの?元気ないけど…」
翔「智くん顔色良くないよ。体調が悪いんじゃ…」
智「大丈夫、ちょっと夕べ眠れなくて…」
雅「何?心配事?」
俺が元気ないのが珍しいのか、あれこれと詮索された
智「あ…いや…」
和「智兄さん…皆には言っておいた方が良いと思いますよ?でないと心配しますし…」
和也に促されて仕方なく昨日あった事を話した
雅「松兄に恋人!?嘘でしょ!」
潤「俺も何かの間違いだと思うよ。あの松岡さんに限って…」
俺の言葉に驚く二人に対して、何故か翔くんは顔色を変えていた
和「…?翔兄さん、どうか…」
翔「智くんごめん!!」
智「へ?」
何故か翔くんから突然謝られた…何で?
潤「どうしたの?翔兄さん…」
翔「…実は智くんが見た女性…俺なんだ…」
・・・
智・雅・和・潤「えーーー!?」
翔「そ、そんなに皆して驚かなくても…」
そりゃ驚くだろ!!あの女性が翔くん!?
潤「一体どういう事!?翔兄さん!」
翔「それが…昨日の朝突然松岡さんから事務所に電話があったんだ…贔屓にしてくれてる会社の社長からパーティーに誘われたけど、女性同伴だから俺に女装して付き合って欲しいって…」
和「翔兄さん指定でですか?」
翔「うん…何でも大野グループに関係している会社だから、智くん達だと顔が知られてるし潤もホテル勤務中に何度か来た事があってバレるかもしれないからって…」
…俺は開いた口が塞がらなかった…