第84章 智の決意
和「松兄が…?」
家に帰って、さっき見た事を和也に話した
智「…やっぱり俺が返事しなかったから、松兄あの人と付き合うようになったんだよ…」
女の人の顔はよく解らなかったけど、松兄が選んだ人だからきっと美人なんだろうな…
和「あの松兄に限ってそれはまずないですね!」
智「え?」
何故か和也はその事には断言した
和「智兄さん多分気付いていなかったと思いますけど、松兄がどれだけ長い間智兄さんの事想ってたと思います?」
智「え…どれだけって…」
和「私が中学の時に気付いたくらいですから、多分それより前だと思いますよ」
そ、そんな前から!?
智「…全然気付かなかった…」
和「でしょうね。まぁ…雅紀兄さんも気付いてませんでしたし、気にする事はないと思いますよ?」
雅紀はそういう恋愛関係には疎いからな…
智「…ならあの女性は恋人じゃないのか?」
和「それは…その場を見てないので何とも言えませんが、私は恋人ではないと思いますよ。もしかして仕事関係の人かも知れませんし…」
智「ん…」
…結局は解らないんだよな…
和「…松兄に聞いてみたらどうですか?」
智「え!?お、俺が!?」
和「気になるんでしょ?聞きにくいなら私がそれとなく聞いてみますけど?」
…聞きにくいけど…もしそうだと言われたら…
智「…ごめん…良いよ…臆病だと言われても俺…真実を知るのが怖い…」
すると何故か和也はニコリと微笑んで
和「…答え、出たようですね。後は智兄さんがそれに気付くだけですよ」
…なんて事を言われたけど…
答えって…?