第82章 雅紀の悲喜こもごも
雅「…良かったー…」
翔「え…?雅紀…どうした?」
俺は起き上がった翔ちゃんを抱き締めていた
雅「だって翔ちゃん凄い音させて倒れてるから、何かあったんじゃないかって思って…」
翔「あ…ごめん…心配かけて…」
雅「ううん、何事もなくて良かった…それに、謝らなくちゃならないのは俺の方だから…」
翔「え?謝る?」
翔ちゃんは意味が解らないって言うような顔をして俺を見つめてきた
雅「さっきの店での事…俺翔ちゃんの事怒らせるような事言っちゃって…本当にごめんね…俺考えなしだった…」
翔「ああ…その事か…もう良いよ。お前だって悪気があって言ったんじゃないんだから…」
雅「それじゃ俺の気がすまない!だから翔ちゃん、俺の事気の済むまで殴って良いよ!」
そう言って俺はその場に正座して身構えた
翔「え…?おい、何もそこまで…」
雅「どうぞ!翔ちゃん!」
すると翔ちゃんはため息をついて
翔「…解ったよ…それでお前の気が済むなら…」
翔ちゃんもその場にしゃがみ、右手を高く振りかざした
そして…
<ペチン>
雅「…へ?」
俺の頬に軽く手を添えてきた
翔「気は済んだか?」
雅「え?いや…あの…」
これは叩くって言わないんじゃ…
なのに翔ちゃんは笑顔で俺に抱きついてきた
翔「良いんだよ、これで…お前は誠意をもって俺に謝罪してくれた…それだけで俺は満足だから」
雅「翔ちゃん…」
すると翔ちゃんは俺に口付けてきた
…翔ちゃんからキスしてくるなんて珍しいな…
翔「…積極的な俺は嫌い?」
…あ…そっか…さっきの…
雅「全然。たまにはそっちも良いよね」
俺はそのまま翔ちゃんとベットになだれ込んだ