第81章 潤の心
<コンコン>
和「はい」
潤「俺…潤だけど…入って良い?」
和「…はい、どうぞ」
和から返事をもらって中に入ると、台本片手に勉強しているようだった
潤「あ…ごめん、忙しかった?」
和「大丈夫ですよ。何か用ですか?」
潤「ん…ちょっと和に聞きたい事があって…」
和「…何でしょう…?」
俺と和は向い合わせで座った
潤「その…和…何かあったのかな…って思って…」
和「え?私がですか?」
潤「うん…あのナースステーションの一件以来、何か和俺に対して何時もと接し方が違うな…って思ったから…俺の勘違い…?」
和「…あ…」
和はばつが悪そうな顔をしていた
潤「言いたくないなら無理には聞かないよ。言えるようになったら…」
和「…卑怯なんです…私は…」
潤「え?」
和が卑怯者って…?
和「翔兄さんと潤くんが本当の兄弟ではないと知って黙ってたのは、他ならぬ自分のためなんです…」
潤「…何で?翔兄さんは和から凄い助けてもらったって…」
すると和は顔を左右に振っていた
和「必死でやってただけです。潤くんにバレないようにするために…」
潤「何でそんな事…」
和「…潤くんを自分のものにしておきたくて…」
…え?
和「潤くんが翔兄さんと本当の兄弟ではないって知ったら、兄として慕っていた気持ちがまた恋愛に変わってしまうのでは…って思ったんです…」
…じゃあ和が俺に対する態度が変わったのって…