第79章 忘れられぬ想い(9)
あの後、警察が駆けつけてケイを連れていった
その際ケイは一言
「ごめんね…」
と言って行った
雅紀の方も手術が無事終わり、病室に移され今は薬が効いて眠っている
…医師から、あと数ミリ深かったら危なかったと聞いた時は息が詰まる思いだった…
<コンコン>
翔「…はい…」
和「翔兄さん、代わりますので少し休んで下さい」
雅紀の入院手続きや準備等を皆がしてくれ、それも終わったのか病室に戻ってきた
翔「・・・」
俺は頭を左右に振り断った
智「翔くん…雅紀なら大丈夫だから」
潤「翔兄さん自身まだ治ったらばかりなんだから、無茶は良くないよ?」
翔「…俺…軽率だった…危険な事は解っていたのに…そのせいで雅紀にこんな怪我を…」
俺は溢れる涙を堪えることが出来なかった…
和「智兄さんも言いましたが、雅紀兄さんなら大丈夫ですよ。怪我なんてそれこそ数えきれない程昔からしてましたし…」
智「したした。もう馬鹿みたいに」
潤「え?そんなに?」
智「ああ、もうほぼ毎日のように。救急車で運ばれた事もあるし」
和「その度にお父さんお母さんに怒られてましたね」
皆俺を元気付けようとしてるのか、明るく振る舞ってくれていた
翔「…みんな…ありがとう…」
そんな声が聞こえたのか
雅「…ん…」
翔「!雅紀!?」
和「雅紀兄さん!」
雅「…翔…ちゃん…」
雅紀が麻酔から目を覚ました