第79章 忘れられぬ想い(9)
雅「…ここ…病院…?」
和「それ以外のどこに見えるんですか…本当に雅紀兄さん無茶しすぎです!どれだけ人の事心配させれば気が済むんですか!」
雅「…ごめん…」
智「まぁ落ち着けよ和也…でも良かったよ無事で」
雅「うん…ホントにごめん…翔ちゃん…?」
翔「…え?」
俺は雅紀の目が覚めた事で安心して涙ぐんでいた
雅「…ごめん…また翔ちゃんの事…泣かせちゃったね…」
そう言いながら雅紀は俺の頬に手を添えてきた
翔「雅…紀…ごめん…」
雅「何で…翔ちゃんが…謝るの…?」
翔「俺が勝手にこの依頼を受けたせいで…雅紀にこんな酷い怪我をさせて…」
すると雅紀は力なく微笑んで
雅「翔ちゃんと同じだよ…」
翔「…え?」
俺と…同じ…?
雅「俺も…何があっても…翔ちゃんの事…守りたかった…ただそれだけ…だよ…」
翔「雅紀…」
和「とりあえず雅紀兄さん、まだ無理はいけませんよ。少し休んでて下さい」
雅「うん…翔ちゃんも…」
翔「俺、ここにいるから…」
雅「ダメだよ…翔ちゃん顔色…良くないよ?俺は…大丈夫だから…」
…ホントに…自分の事より人の事ばかり…
翔「わかった…また後で来るから」
雅「うん…」
そう言って雅紀はまた眠りについた
智「俺達も出てよう」
潤「あ、じゃあ俺先に戻って夕飯の準備してる…」
翔「潤」
潤「何?」
翔「今お前が知りたい事、皆にも聞いてもらいたいから雅紀が退院したら話すよ…全て…」
潤「翔兄さん…」
ー言葉にしないと相手には伝わらないー
さっきの雅紀の言葉…今度は俺が伝える番だ