第79章 忘れられぬ想い(9)
雅「葛城さんの事は…俺より君の方が…解ってると…思うけど…あの人は…こんな事を望むような…人じゃないって…俺は思ってる…」
ケイ「そ…そんな事何でお前が解るんだよ!」
雅「…聞いたから…葛城さんの…翔ちゃんに対する…気持ち…」
翔「…え?」
葛城さんの気持ち…?
雅「あの人は…本当に翔ちゃんの事…想ってた…心から…愛してたんだ…」
翔「・・・」
ケイ「う、嘘だ!葛城さんは僕の事が…!」
雅紀の言葉が信じられないケイは、声を荒げて否定した
雅「…言葉ってさ…大切だよね…その人を…勇気つける事も出来るし…傷付ける事も出来る…君も…本当に葛城さんを…想うなら…どうしてあの人の言葉を…聞かないの…?」
ケイ「…っ!」
ケイは雅紀から言われた事に言葉をつまらせた
雅「…怖かった…?葛城さんから…否定されるのが…気持ちは解るけど…だからといって…他人を傷付けて良いって…事にはならない…よね…?」
そう言われ、ケイは持っていたナイフを落とした
ケイ「ぼ…僕は…両親から暴力受けてて…家を飛び出したんだ…でも行く宛がなくて…あの店に行ったんだ…本当は男娼になんかなりたくなかった…けど葛城さんはたった一度だけど僕の事求めてくれて…」
ケイは涙を流しながら過去を打ち明けていた
俺はそれを聞き、思わずケイを抱き締めていた
翔「…辛かったよな…お前だって誰かから愛されたかったんだよな…」
ケイ「う…うわーーーっ!」
ケイは俺の胸の中で大声で泣いていた
翔「ケイ…ちゃんと罪を償ってこい…待ってるから…友達として…」
ケイ「うん…うん…」
<ドサッ>
翔「…え…ま、雅紀!!」
その時後ろで雅紀が倒れていた…
その身体からは大量の出血をしていた…
翔「雅紀!雅紀ーーー!」