第79章 忘れられぬ想い（９）

ケイ「あの日だってそうだ！葛城さん本当は僕に会いに来てたのに、お前が横やりを入れたんだろ！？」

翔「…何言ってんだ？」

ケイ「僕が羨ましくて葛城さんを誘惑したんだろ？でも残念だったね？葛城さんは僕に夢中なんだから」

…何なんだこいつは…

翔「そんな事どうでも良い！誰か早く救急車を…！」

店長「今呼んでます！すぐ来ますので！」

ケイ「…どうでも良い…？」

その時、ケイの表情が一変した

ケイ「僕の葛城さんに手を出しといてどうでも良いだと…？」

翔「悪いが今お前の独りよがりに付き合ってる暇はない！雅紀を病院に運ぶのが先だ！」

雅「…翔…ちゃ…下がっ…て…」

翔「！？雅紀！」

突然雅紀が俺達の間に入ってきた

翔「雅紀動くな！傷口が…」

雅「大丈…夫…ケイくん…だよね…？」

ケイ「な…んだよ…」

雅「君の葛城さんを想う気持ち…よく解る…でも…こんな事して…葛城さんが喜ぶ…かな…？」

ケイ「当たり前だろ！こいつが消えれば僕達の間に障害は無くなるんだから！」

俺はケイの自分勝手な言い分にいい加減頭にきていた

翔「お前いい加減に…！」

雅「…葛城さんに聞いた…？」

その時突然、雅紀がケイに問いかけてきた

ケイ「…それは…でも聞かなくても…！」

雅「それは…解らないよ…？人の気持ちなんて…自分で思ってても…相手に必ず伝わるかなんて…解らない…言葉にして言わないと…俺…今回の件で…そう強く思った」

翔「…雅紀…」