第79章 忘れられぬ想い(9)
雅紀の運転でスーパーに着き、買い物かごをカートに乗せて店内に入った
翔「えー…っと…まずは玉子と人参…ん?」
雅「何?翔ちゃん」
翔「いや…今このメモ見たらさ、書いてる順番コーナー毎にまとめてるんだよ」
そう言うと雅紀はメモを覗いて
雅「…あ、ほんとだ。最初は野菜でそのあと肉類…」
翔「しかも入り口から入って、回りやすいように順番に書いてるんだよな」
本当細かくて気配りができるよな…潤は…
雅「凄いね。俺だったら思い付いたのを書いていくからグチャグチャだよ」
翔「俺も似たようなもんだよ」
そう言いながら、俺達はメモ通りに商品を入れ、レジに並んでいた
雅「…?」
翔「?どうした雅紀…」
雅「…うん…」
何か神妙な顔つきの雅紀が気になりつつ、会計を済ませた
翔「お待たせ。じゃあ帰ろうか」
雅「!翔ちゃん!!」
翔「え?」
雅紀が俺の名前を呼んだと同時に、突然俺の前に立ち塞がった
雅「…っ!」
翔「雅紀一体…」
雅紀の肩に手をかけて前に回った時…俺は自分の目を疑った
フードを被った人物が雅紀の身体に密接していて、その手元には…
翔「…え…?」
手元には血のついたナイフが雅紀の身体に刺さっていた
翔「ま、雅紀!!」
俺が叫んだ事で周りが気付き、辺りは騒然となった
客①「け、警察に電話!!」
客②「キャーーーっ!!」
翔「雅紀!雅紀!!」
「…何で…」
翔「…え?」
「何でこんな奴を庇うんだよ!!こいつは僕から葛城さんを横取りしたんだぞ!!」
こいつが…『ケイ』か…