第79章 忘れられぬ想い(9)
~翔side~
葛城さんからアメリカ行きの話を聞いてから数週間が経ち、あと3日でアメリカに旅立つ事になっていた
しかしあれ以降、ストーカーはパタリと行動を起こしてこなかった
雅「…何か拍子抜けだな…」
潤「…ストーカーの奴、何考えてるんだろう…」
翔「・・・」
智「…?翔くんどうした?」
翔「え?あ、何でもないよ」
ストーカーも気になるけど、あれから普段と変わらない態度の潤も気になる…
…俺に気を使ってるのか?
潤「翔兄さん…大丈夫?まだ体調が悪いんじゃ…」
翔「大丈夫だって。ちょっと考え事してただけだから…」
俺がこんな態度じゃ皆に心配かけるな…しっかりしないと!
智「おい潤。店の方は大丈夫か?」
潤「え?うわっ!もうこんな時間!?やばい買い出し…!」
翔「ああ、潤。買い出しなら俺が行くから、お前は仕込みをやってろ」
潤「え?でも…」
雅「大丈夫。俺も一緒に行くから」
潤「そう?じゃあ買い物を書き出すからお願い」
そう言って潤は厨房に入っていった
智「大丈夫か?翔くん…二人だけで…俺も行こうか?」
翔「大丈夫だよ。それに智くん、確か今日依頼が入ってたハズだけど?」
智「へ?あ、ホントだ!やべっ!」
…何で皆して忘れてるんだよ…
潤「じゃあ翔兄さん、これだけお願い…あれ?智兄さんは?」
雅「依頼が入ってたの忘れてて、今慌てて出てった」
潤「へぇー…智兄さんが珍しいね」
翔「じゃあ、行ってくるな」
潤「行ってらっしゃい」
…この時、後になって俺自身油断があった事に後悔した…