第77章 忘れられぬ想い(7)
翔「何か心当たりあるの?」
智「あ、いや…俺達も詳しくは解らないんだ…翔くんが入院した日に、ナースセンターに行ってからちょっとあんな感じで…」
ナースセンター?
翔「ナースセンターに何かあったって事?」
雅「ナースセンター…っていうより…和とじゃない?」
翔「何で和也?」
雅「和が入院手続きしに行った後、潤が俺が泊まり込みで病室に居たいんじゃないかって聞いてきて…で、俺もその方が良いって言ったら、潤が看護師さんに伝えて来るって病室を出たんだ…」
…え?
智「で、戻ったらあの状態。二人に聞いても何も言わないしな…」
…病室の入り口と室内には俺の名前を入れてなかった…もしかして…手続きをした時潤が…知った?
雅「翔ちゃんどうしたの?」
翔「あ…ごめん…何でもないんだ…」
…もう隠し通せないかもな…
翔「なぁ…今日和也は?」
雅「確か舞台が始まるから今日は劇場に行ってるハズだけど…」
智「あ、でもさっき戻ってたぞ」
翔「わかった。ちょっと和也の所行ってくる」
俺はそのまま家に戻り、和也の部屋に行った
<コンコン>
和「はい」
翔「和也、今いいか?」
和「翔兄さん。はい、どうぞ」
和也は芝居の台本を読んでいたようだったけど、台本を閉じて俺をテーブルに案内してくれた
翔「そういえば、俺まだ和也にお礼言ってなかったな」
和「お礼?何の事ですか?」
翔「雅紀に聞いた…お前が叱咤してくれたお陰で俺と向き合う気持ちになったって…」
和「ああ…その事ですか…」
そう言って和也は照れたように笑った