第77章 忘れられぬ想い(7)
和「お役に立てたようで良かったです。ちょっと雅紀兄さんがあまりにもハッキリしなかったので、思わず一喝してしまいましたね」
翔「そのお陰で俺はまたこの家に帰ってこれたから…本当にありがとう…俺和也には何度も助けてもらってるな」
和「そんな事ありませんよ。私はちょっと手助けしてるだけですから」
そう言って笑ってたけど、和也がいなかったら多分俺はあのまま野たれ死んでたよ…
翔「和也…」
和「はい、何ですか?」
翔「…潤…気付いてるんだろ?」
和「…え?」
その時、和也は一瞬顔色を変えた
翔「隠さなくても良いよ。さっき智くんと雅紀から聞いた…和也が俺の入院手続きをして以降、潤の様子が変わったって…」
和「…すみません…気を付けてはいたんですが…」
翔「和也が謝る事なんてないよ。俺が注意していなかったのが悪いんだから」
和「でも、多分全て知ってる訳ではないと思います。今の件が全て片付いたら翔兄さんから聞くって言ってましたから…」
翔「そっか…わかった。ありがとう和也」
和「翔兄さん…」
俺はそのまま和也の部屋を出た
…知らないならそのままいたかったけど…多分これが限界なんだろうな…
翔「真実を知ったら潤…怒るかな…」
俺を兄と信じて疑わなかった潤に、俺は潤が望むなら全てを打ち明ける決心をした
例え罵られようとも…