第77章 忘れられぬ想い(7)
雅「どうする?一人づつ当たってみる?」
翔「そうだな…それしか…」
ハル「この中なら一番怪しいのはこいつだよ」
翔「え?」
と、突然ハルは一人の男を指差した
智「こいつって…この『ケイ』って奴が?」
ハル「うん」
翔「何で解るんだ?」
ハル「この3人の中ではケイが一番葛城さんに夢中だったし、翔が始めて葛城さんの相手した時、本当ならケイが行くハズだったんだ」
翔「そうだったのか?」
ハル「うん。でも葛城さんから他のが良いって言われて…で、入ったばかりの翔が相手をしたって訳」
…そんな経緯があったのか…
ハル「それに翔が内の店を出た日、僕廊下でケイとすれ違ったから、多分間違いないと思うよ」
雅「翔ちゃん!」
…どうやらビンゴらしいな…
翔「ハル、ありがとう。助かったよ」
ハル「どういたしまして。翔にはお店で迷惑かけたし、なんたって潤のお兄ちゃんだからね」
…そっちかよ…ってか、やっぱまだ潤の事諦めてないんだな…
ハル「ねえ、僕もう良いよね?ちょっと潤の所行ってくるから!」
翔「え!?お、おいハル!」
こっちが止める間もなく、ハルは潤の所に走って行ってしまった…
…でも、潤と言えば…
翔「智くん…」
智「ん?」
翔「最近の潤なんだけど…ちょっと変じゃない?」
智「変って?」
翔「うん…何か考え込んでるっていうか…あまり話さないし、入院中も着替えを取りに1~2回来ただけですぐに帰ったし…何かあった?」
智・雅「あっ…」
翔「え?」
やっぱり何かあったのか?