第74章 忘れられぬ想い(4)
和「何処をどう見たら、この写真で翔兄さんが葛城さんの事を好きって思えるんですか?」
雅「何処をって…」
和「特にこれなんて、どう見ても拒絶してるようにしか見えませんよ!」
確かに和が出してきた写真の翔ちゃんは、葛城さんの肩を押して嫌がっているように見えた
雅「…じゃあ翔ちゃんは何でこの依頼を…」
和「それを聞こうとしなかったのは雅紀兄さんでしょ!?翔兄さん、何度も話そうとしてたのに…」
雅「和…知ってるの?」
和「知りませんよ。聞いても『俺が悪いんだ』としか言いませんから…」
雅「・・・」
翔ちゃんが悪いんじゃない…悪いのは聞こうとしなかった俺…
和「…雅紀兄さん…私でもこれだけはわかります…翔兄さんが心から好きなのは雅紀兄さんだけだと…」
雅「…和…」
和「でなければ、あんな身体を盾にして雅紀兄さんを守ろうとしませんし、その後だって…」
その後?
雅「翔ちゃんが俺を庇って銃で撃たれた後?」
和「…雅紀兄さんが失踪していた時の事です。翔兄さん、まだ傷口が塞がってない状態で雅紀兄さんを探そうと、何度も病院を抜け出そうとしてたんですよ?お陰で傷の治りが悪かったんですから…」
雅「え!?」
その話…初めて聞いた…
和「…翔兄さんから口止めされてたんですよ…『雅紀に気を使わせたくないから』って…」
雅「翔ちゃん…」
和「翔兄さんが帰ったらちゃんと話をして下さい…翔兄さん、大丈夫と言ってますが本当は直ぐにでも病院に行かないとヤバイ状態なんですから…」
雅「…うん…」
その時俺のスマホが鳴った