第74章 忘れられぬ想い(4)
雅「翔ちゃんの事って?」
和「しらばっくれないで下さい。智兄さんに聞きました。今雅紀兄さんが行ってる依頼は昼頃からの仕事だって…どうせ翔兄さんと顔を合わせたくないってだけで早くに出てたんでしょ?」
…わかってんなら聞くなよ…
雅「…だから何?」
和「一体どういうつもりでこんな事してるのかって事です」
雅「別に和には関係ないよ」
和「大有りです!雅紀兄さん、最近翔兄さんを全く見てないでしょ?今翔兄さんがどんな状態なのかわかってないでしょ!?」
…え?翔ちゃんの状態?
雅「…どういう意味?」
和「翔兄さん…ここ数日ほとんど食事をとってません…恐らく夜も眠れてないと思いますよ…よくリビングで暗闇の中座ってるのを見かけます…」
雅「え!?」
ここ数日って…もしかしてあの日から?
和「何驚いた顔してるんですか?当然でしょ?好きな相手に無視されたら誰だって辛いでしょ…」
雅「…翔ちゃんが好きなのは俺じゃないよ…」
和「は?」
俺は和にさっきの写真を見せた
和「…え!?こ、これって…」
雅「さっき郵便受けに入ってたんだ…」
和「…まさか雅紀兄さんは、この写真を見て翔兄さんの好きなのは葛城さんではないかと…?」
雅「だってどう見たってそうだろ?だから翔ちゃんは今回の依頼を受けたんだよ…きっと…」
…それでも翔ちゃんが幸せなら…俺は…
和「…今だから言えますけど雅紀兄さん…実は私、潤くんと付き合うようになる前は、雅紀兄さんの事が好きでした。もちろん恋愛対象として」
雅「え?」
か、和が俺の事を…?
和「でも、見切りをつけて正解でした…はっきり言って雅紀兄さん、あなた最っ低です!」
…は?