第74章 忘れられぬ想い(4)
~雅紀side~
今日も依頼があり朝早くから出掛けていた
…本当は朝から行く仕事ではないんだけど、翔ちゃんと顔を合わせないようにするためだった
雅「はぁー…ガキだな…俺も…」
翔ちゃんが悪い訳じゃない…そんな事わかってる…
ただ、翔ちゃんが傷付くのをもう見たくない…それだけだったんだ…
雅「…やっぱり嫌われちゃったかな…俺…」
こうなったのも自業自得なんだけどな…
俺は重い足取りのまま、家路についた
雅「ん?郵便受けに何か入ってる…」
郵便受けを見ると封筒が入ってて、宛名が「まさきさんへ」と平仮名で書かれていた
雅「俺宛て?何だろう…」
俺はその封筒を持って自分の部屋に入った
封筒を開けると中には写真が入っていて、見るとそこに写っていたのは
雅「…え?これって…」
車の中で翔ちゃんが、葛城さんと抱き合っている写真だった
雅「…翔ちゃんと葛城さんが…」
写真を見た途端、頭の中が真っ白になった
雅「…そっか…そう言う事だったのか…」
翔ちゃんがこの依頼を受けた意味…
翔ちゃんはきっと葛城さんの事を…
雅「…ちゃんと祝福してあげないと…」
今は無理でも何時かはきっと…そう思っていた時
<コンコン>
和「雅紀兄さん、帰ってますか?」
雅「うん、どうぞ」
和が訪ねてきた
和「失礼します。今良いですか?」
雅「良いよ、何?」
和「翔兄さんの事です…」
…正直そうじゃないかと思ってた…