第70章 忘れられぬ想い(1)
客「偶然ここに入って来た時は驚いたよ。まさかお前に会えるとはな…」
翔「まさか…男娼館の…」
客「そうさ…この間行ったら、お前はもういなくてショックだったぜ」
和「翔兄さん?どうしたんですか?」
その時俺の様子が気になったのか、和也が声をかけてきた
翔「…大丈夫だよ。悪いけど和也、そこの片付け頼むよ」
和「…はい…」
客「へぇー…お前の弟か…なかなか可愛いじゃないか…」
コイツ…和也に興味を持ったのか?
翔「ここは喫茶店だ…食事が終わったなら帰ってくれ」
客「そんな事言って良いのか?俺がお前は以前男娼をしていたと言ったら…ここの店の評判も下がるんじゃないか?」
コイツも俺の事を脅迫するのか?
翔「…何が目的だ…」
するとその客はまたもや嫌らしく笑い
客「もちろんお前だ。俺はお前のその顔と身体が気に入ってたんだ」
そう言ってその男は俺の腕を掴んで店の外に連れ出そうとした
翔「や…止めろ!」
客「当然お前に拒否権はないぞ」
和「翔兄さん!」
潤「翔兄さんを離せ!」
その時潤が俺を助けようと、男に掴み掛かろうとしていた
ー駄目だ!ここで騒動を起こすと店の評判に影響が…!ー
翔「止めろ!じゅ…」
俺が潤を止めようとしたその時
客「アイテテテ!!」
翔「!?」
誰かが俺の腕を掴んでいる男の手と反対の腕を捻りあげていた
客「な、何だテメェは!?」
潤「あ…あなたは…」
俺はその人物を見て目を疑った
翔「…葛城…さん…」
あの男娼館で会った葛城さんが立っていた