第69章 番外編~シンデレラ(?)~
翔「あの…何か?」
松「舞踏会行きたいんだろ?俺が行かせてやるよ」
翔「いえ、結構です。俺これから寝るんで」
松「待て待て待て!それじゃあ話が進まないだろ!」
翔「大丈夫です。俺が寝れば話は終わりなんで」
良いって言ってるのに、松岡さんは全く聞いてくれなかった
どうやら松岡さんは魔法使いのようで、何がなんでも俺を舞踏会に行かせたいらしい…
翔「解りましたよ…行けば良いんでしょ?」
松「やっと観念したか。俺はちゃんとお前のために、カボチャとネズミを用意したんだからな」
翔「うわー…マジですか…カボチャはともかく、ネズミは覚悟が要りますね…」
松「最近の家庭にはあまりネズミがいないからな。探すのに苦労したんだぞ!」
…掃除機もないような時代なのに、何でネズミがいないんだよ…
俺は思いきり理不尽さを実感していた
松「まあ、とにかく。今からこれに魔法をかけるからな」
そう言って、持ってきたカボチャとネズミに魔法をかけて、物語通りに馬車と馬が出てきた
松「さてと、次はお前の格好だな」
格好?ま、まさか…
翔「ま、松岡さん!待ってください!」
松岡さんはスティックを振りかざし、俺の衣装を変えた
予想通りにヒラヒラのドレスに…
翔「うわーーーっ!やっぱこう来るか!!」
松「そんなに喜んでくれると嬉しいぜ」
翔「喜んでません!!」
やっぱあのまま寝とけば良かった…
松「ああ、そうだ。この魔法は12時になったら解けるから、それまでに戻ってこいよ」
翔「12時まで待てません!今すぐ戻して下さい!!」
松「じゃあな。楽しんでこいよ」
そう言って松岡さんは姿を消した
翔「何でここの奴らは皆俺の主張を無視するんだ!?」
納得いかなかったが、馬車に乗って城に向かった