第65章 ~番外編~追憶
潤「翔兄さん!!」
病室に入ると、ベットで眠ってる翔兄さんの横に男の人が立っていた
「ああ、君が翔くんの弟か」
潤「はい…あの…」
「俺はカフェのマスターで木元だよ」
潤「あ、初めまして。弟の潤です。兄がいつもお世話になってます」
木元「こちらこそ。しかし、翔くんもそうだったけど、潤くんもキチンとしてるね」
潤「いえ、そんな事は…あの…兄さんは…」
木元「ああ、過労だそうだよ。ホントにいくら若いからって、学校が終わって毎日夜の11時まで仕事じゃ、倒れて当然だよ。土日も朝から働いてたんだろ?全く無茶するよ」
…え?夜の11時まで?
潤「あの…どういう事ですか?夜の11時まで仕事って…」
木元「え?翔くんから聞いてないの?翔くん、うちで7時まで働いて、それ以降はコンビニで11時まで仕事してるって聞いたけど…」
潤「…いえ…俺には9時まで働いてるって…場所も学校から離れてるから、帰るのが遅くなるってしか…」
…確かに夕方から9時までの勤務にしては、バイト代が良いなとは思ったけど…
木元「そうか…君には心配かけまいと思ったのかな」
潤「…俺…そんなに頼りないのかな…」
木元「え?」
潤「…俺がもっとしっかりしてれば、兄さんこんな無理しなくていいのに…」
俺は自分の不甲斐なさに自己嫌悪を感じていた
木元「それは違うんじゃないかな?」
潤「え?」
木元「翔くん言ってたよ。『弟がしっかりしてるから、俺は家の事を任せられるんです。だから、俺は外で頑張らないと』って…」
翔兄さん…そんな風に思ってくれてたんだ…
木元「人には向き不向きがあるからね。自分で出来る事を頑張れば良いんじゃないかな?」
潤「…はい…」
俺は木元さんの言葉が嬉しかった