第65章 ~番外編~追憶
俺は学校から許可をもらい、アルバイトを始めた
潤には黙ってたけど、掛け持ちをして
学校から終わってカフェで夜の7時まで働き、その後コンビニで11時まで働くようにしていた
本当は高校生は深夜まで働いてはいけないけど、ここのコンビニは担任の先生の両親が経営しているとの事で、事情を説明して特別に許可をもらった(バレたら大変だけど…)
店長「松本くん、お疲れ様。今日はあがっても良いよ」
翔「あ、はい。ありがとうございます。お疲れ様でした」
初めてのアルバイトで、俺はすっかり疲れはてていた
翔「はぁー…疲れた…潤、心配してるかな…」
潤にはバイト先が少し遠いから、帰りは遅くなるって言っているけど…
…父さん母さんが死んで間もないのに、潤を一人にして悪かったな…
潤の事が気になりつつ、急ぎ家に帰った
翔「ただいま…」
潤「あ、翔兄さんお帰り。お疲れ様」
翔「ごめんな。遅くなって…ん?何だ?この匂い…」
潤「え?あ!?いや、その…」
翔「?」
潤の態度が気になりつつ、匂いの元であるキッチンに行った
翔「…え…?潤…これ…」
そこにあったのは、表面が焦げ、歪な形をした物があった
翔「…これ…オムライス…?」
潤「う、うん…」
翔「もしかして、俺のために作ってくれたのか?」
潤「俺…兄さんの為に何かしたくて…でも、初めて作ったから上手く出来なくて…ごめん…」
潤は失敗したことが悔しかったのか、うっすら涙を滲ませていた
翔「あー腹減った!潤、これ貰うぞ!」
潤「え?」
俺は潤が作ってくれたオムライスを食べた
翔「うん!旨い!」
潤「翔兄さん…」
俺はちょっと焦げ臭いオムライスを完食した
翔「ご馳走さん!ありがとな潤」
潤「…こっちこそ、ありがとう…翔兄さん…」
潤は涙を滲ませながら笑っていた