第64章 家族になろう(10)
星「…俺たち、あのおじさんとおばさんの子供になるの?」
翔「そう…星児、前に言ってたよな?輝と離れ離れになりたくないって…でも大丈夫。あの人達の所に行けば、輝とずっと一緒だよ」
星「…翔兄ちゃんは?」
翔「え?」
星児は突然、俺の事を聞いてきた
星「翔兄ちゃんは一緒じゃないの?」
翔「あ、いや俺は…」
すると星児は
星「やだ!!」
翔「星児!?」
星「やだやだ!!翔兄ちゃんも一緒じゃなきゃ嫌だ!!」
輝「翔兄ちゃんいなくなるの!?そんなの嫌だ!!」
星児が俺と離れる事を嫌がったために、輝も騒ぎだした
翔「星児、輝!聞くんだ!こうする事がお前達の…」
輝「やだーーー!!翔兄ちゃんの側にいたいよーーー!!」
星「翔兄ちゃんがいなきゃやだー!!」
翔「星児…輝…」
二人は泣きながら俺にしがみついてきた
そんな二人に対して、俺はどうすることも出来なかった…
智「翔くん…」
そんな騒ぎを聞き付けて、皆が集まってきた
翔「智くん…俺…どうすれば良い?どうすれば二人の為になる?」
すると智くんは俺達の前にしゃがんで
智「星児、輝。翔兄ちゃん困ってるぞ?お前達は大好きな翔兄ちゃんを困らせたいのか?」
星「翔兄ちゃん…困ってるの?」
智くんの言葉に星児が顔をあげた
智「当たり前だろ?二人してワンワン泣いたら、翔兄ちゃんビックリするだろ。翔兄ちゃんが大好きなら、泣いてちゃ駄目だ!」
星「…うん…」
輝「ひっく…ぼ、僕も泣かない…翔兄ちゃん大好きだもん!」
翔「星児…輝…」
俺の為に…泣かないでいてくれてる…
俺は二人の気持ちが嬉しかった