第64章 家族になろう(10)
~翔side~
翌日、霧島さんから連絡が入った
星児と輝の父親が全てを自供したらしい…
2年前、口論の末に二人の母親を殺害し、遺体を隣県の山中に埋め、警察に失踪したと届出たと…
それを聞き、俺は二人に全てを(母親の事は隠して)話す事にした
翔「星児、輝。話があるんだ」
星「話?何、翔兄ちゃん」
俺は二人を部屋に通した
翔「二人とも、昨日事務所で俺と智兄ちゃんの他に一緒にいた人、覚えてるか?」
星「うん」
翔「どう思った?」
星「え?どうって…わかんない」
輝「僕、覚えてない」
やっぱりそうだよな…少ししか会わなかったからな…
翔「あの人達はな、お前達の伯父さんと伯母さんだよ」
星「え?」
輝「おじさん、おばさん?」
二人ともピンとこないのか、キョトンとした顔をしていた
翔「うん、そう…で、お前達と一緒に暮らしたいと言ってる」
星「え?何で?」
翔「…二人のお父さんとお母さんになりたいって言ってるんだ」
星「何でおじさんとおばさんが、お父さんとお母さんになるの?父ちゃんと母ちゃんがいるのに?」
翔「…父親はお前に暴力を振るったからな…もう一緒には暮らせないんだよ。母親も家を出ていって居場所が解らない…だからお前達には、新しいお父さんとお母さんが必要なんだよ」
輝はまだ話の内容が難しかったようで、ずっとキョトンとしていたが、星児は少し理解したようだった