第63章 家族になろう(9)
智「その妹さんは?」
伯父「…わかりません」
智「わからない?」
伯父「…実は、私どもは二人の仲を反対しておりました…あの男はあまり良い噂を聞かなかったもので…でも、妹は聞かずに家を飛び出しまして、それ以降音信不通でした」
…まさか…
翔「その事を警察には?」
伯父「はい、警察から連絡を受けた時に伝えました。今、あの男からも事情を聞いているようです」
翔「そう…ですか…」
…失踪から2年…無事だと良いけど…
智「翔くん…お二人は子供達を引き取りたいと言ってるんだ」
翔「…え?」
二人を引き取りたい…?
伯父「もし妹が見つかれば、子供達と一緒に連れて帰ります。でも最悪の場合は、私どもの子供として引き取りたいと思っております…」
翔「…つまり…養子として…?」
伯父「はい…私どもには子供がおりませんので…」
星児と輝を養子に…優しそうなご夫婦で良い話じゃないか…
なのに…
智「翔くん…」
解ってる…智くんの言いたい事は…でも…
翔「あ…あの…」
その時、突然事務所の入り口が開いた
輝「翔兄ちゃーん」
翔「輝」
輝が突然入ってきて俺に抱きついてきた
その後、雅紀と星児が一緒に入ってきた
雅「ごめん智兄、翔ちゃん。輝が翔ちゃんの所に行くって聞かなくて」
伯父「この子達が…」
伯母「まあ、元気な子達ね。あなた」
雅「あ、ごめん接客中だったんだ!」
星「ほら、輝行くぞ」
輝「やだ!翔兄ちゃんと一緒にいる!!」
翔「いいよ、おいで輝」
俺は輝を抱き上げて膝に乗せた
智「…霧島さん…申し訳ありませんが、この話はまた後日お願い出来ませんか?子供達にはまだ…」
伯父「…わかりました」
霧島さん夫婦はそう言って事務所を後にした