第63章 家族になろう(9)
~雅紀side~
雅「じゃあ、あの夫婦は星児と輝の?」
智「ああ、伯父さんと伯母さんだよ。二人を引き取りたいと言ってきた」
和「…断る理由はないですよね…翔兄さんは?」
潤「多分、自分の部屋にいると思う…」
雅「…俺、様子をみてくる…」
そう言って、俺は翔ちゃんの部屋に行った
<コンコン>
雅「翔ちゃん、良いかな?」
翔「…どうぞ」
翔ちゃんの許可を得て俺は中に入った
雅「…星児と輝は?」
翔「今やっと寝たよ」
当初は二人とも別の部屋にいたんだけど、輝が翔ちゃんと一緒に寝たいと言ってきたので、今では翔ちゃんの部屋で一緒に寝てる
翔「…輝がさ…『眠れるまで側にいてね』って言って俺の手をずっと握ってるんだ…星児も、本当は甘えたいんだけど、輝の手前甘えられないんだ…だから、輝が寝付いてから星児の頭をなでてあげると、嬉しそうにしてさ…」
雅「翔ちゃん…」
二人の事を話す翔ちゃんはどこか寂しそうだった
翔「…解ってるんだ…二人の事を思うなら、霧島さんご夫婦に子供達を託すべきなんだと…でも…」
つらそうに話す翔ちゃんを俺は抱き締めた
雅「翔ちゃん…泣きたい時は泣いても良いよ…俺が側にいるから…」
翔「…ふ…ううっ…」
翔ちゃんは俺の腕の中で、声を殺して泣いた
その翌日、翔ちゃんは二人に全てを話す決心をした