第63章 家族になろう(9)
俺達は買い出しを済ませて、店に戻った
翔「ただいま」
潤「あ、お帰り。買い出しありがとう」
買い出しの荷物を潤に渡して、営業準備にかかろうとした時
和「翔兄さん…」
翔「ん?何だ?」
何か神妙な顔をした和也が声をかけてきた
和「あの…智兄さんが呼んでます…子供達を雅紀兄さんに任せて、事務所にきてほしいって…」
翔「…解った」
…どうしたんだ?和也のあの表情は…
俺は気になりながらも、事務所に上がった
<コンコン>
智「はい、どうぞ」
翔「智くん、何か…あ、ごめん。お客さん?」
事務所に入ると、智くんの向かいに夫婦と思われる二人が座っていた
智「良いんだ。翔くん、ここに座って」
翔「…うん…」
何だろう…依頼かな…?
智「翔くん、こちらのご夫婦は霧島さんと言って、A県から来られたんだ」
翔「A県から?わざわざご依頼に?」
智「いや…この方達は星児と輝の伯父さんと伯母さんになるんだ」
…え?
伯父「…貴方が、子供達をあの男から救ってくださったのですね。本当にありがとうございます」
翔「え?あ、いえ…俺は…何も…」
伯父と伯母…?星児と輝の…
智「…翔くん…」
翔「あ…ご…ごめん…突然で驚いて…あの霧島さん…なぜここが解ったのですか?」
伯父「警察から連絡をいただきました。妹の息子が父親から虐待を受けて、あるお宅で保護されていると」
妹…?星児と輝の母親か…?