第63章 家族になろう(9)
~翔side~
俺が家に戻って数日がたった
あの日、葛城さんが俺をあの店から解放してくれたけど、その後どうなったのかは解らなかった
ー葛城さんの連絡先、知らないからな…大丈夫だったのかな…ー
雅「翔ちゃん?どうしたの?」
翔「え?あ、何でもないよ」
雅紀と買い出しに来ている最中、どうやら俺が話半分で聞いてたから気になったみたい
雅「何か心配事?俺じゃ頼りないかも知れないけど、何でも言って」
翔「そんな事ないよ!ありがとう、雅紀」
俺がお礼を言うと、雅紀は少し照れた顔をしていた
星「ねー翔兄ちゃん、お菓子買っても良いの?」
翔「ああ、その代わり好きなのをひとつだけだぞ」
星「はーい!輝行こ!」
輝「うん!」
星児と輝はスーパーに入るなり、お菓子売り場に走って行った
翔「こら!店内は走ったら駄目だろ!!」
星・輝「はーい!」
解ってるのかな?本当に…
雅「翔ちゃん、何か母ちゃんみたい」
翔「え?どこが?」
雅「何か暖かいところが。多分、星児と輝もそう思ってるんじゃないかな?」
…そう…なのかな…?だとしたら、嬉しいけど…
店長「あ、翔さん。こんにちは」
翔「店長さん。その節はありがとうございました。これ、皆さんで召し上がって下さい」
店長「え?あ、ありがとうございます!もしかして、テンペスタさんの手作りですか?」
翔「はい。お口に合えば良いんですが…」
店長「それは大丈夫です!うちの職員の半数以上はテンペスタさんのファンですから!」
…喫茶店のファンって何?