第62章 家族になろう(8)
~雅紀side~
雅「さっき和と話してたよね?一体どういう事なの!?」
俺は翔ちゃんと和の会話を聞いて、思わず翔ちゃんを連れ出していた
翔ちゃんが出ていく!?
そんなの嫌だ!!
翔「ま…さき…い、一体いつから話を聞いて…」
…?どうしたんだろう…翔ちゃんの顔色が変わった?
雅「…部屋に入ろうとした時に、和の声で『今でもここから出ていく事を考えてるんですか?』って言ってた所からだけど…?」
翔「…え?そこから?」
え?そこからって…その前は何を話してたの?
でも、翔ちゃんの顔色は元に戻っていた
雅「あの…俺、変なこと言った?」
翔「あ、いや、何でもないよ…雅紀…ごめん」
雅「…何で謝ってるの?」
翔「あのレコーダーの事…和也から聞いた。お前がショックを受けてたって…」
もしかして、その事を話してたの?
雅「翔ちゃん…まさか本当に?」
翔「…ここに来た当初は思ってた…一緒に住もうって言ってくれてここに来たけど、やっぱり俺は大野家とは何の関係もない赤の他人だから、長くいるわけにはいかないと…」
雅「・・・」
翔「でも…出来なかった…さっきも言ったけど、潤と離れて一人になるのが怖かった…それに…」
雅「それに…何?」
翔「…ずっと雅紀の側にいたかったんだ…」
雅「翔…ちゃん…」
そう言って、うつ向いた翔ちゃんの顔は真っ赤になっていた
雅「翔ちゃん!!」
翔「うわっ!ま、雅紀!?」
俺は翔ちゃんを抱き締めた
雅「俺もだよ!翔ちゃんの側を離れたくない!!」
翔「雅紀…」
雅「翔ちゃん…良い?」
翔「え?あ…」
その言葉に翔ちゃんは顔を背けた