第62章 家族になろう(8)
和「では、ご両親の遺産はまだ手付かずで…?」
翔「んー…流石に生活する上でアルバイトだけでは無理があったからな…少しだけ使わせてもらったけど、殆ど残ってるよ」
和「潤くんの為に使わずに?」
翔「潤の夢が一流のシェフになることだったから、将来は自分の店を持ちたいだろうから、その時の資金にしようと思ってたんだ。でも、智くんがその夢を叶えてくれたからな」
和「…翔兄さん、もしかして今でもここから出ていく事を考えてるんですか?」
翔「…あの日、潤を智くんに託したら、俺は何処か遠くに行こうと思ってたんだ…でも、やっぱ出来なかったんだ…笑っちゃうよな。正直、一人になるのが怖かったんだ…それに…」
その時突然部屋のドアが開いた
雅「翔ちゃん!!」
翔「うわっ!」
いきなり雅紀が乱入してきた
雅「しょ…ぶっ!!」
和「雅紀兄さんうるさい!子供たちが起きるでしょ!!」
和也は雅紀に向かってクッションを投げつけた
…てか、和也の声もデカイ!
星「んー…何?」
翔「ごめんな星児。まだ早いから寝てろ」
星「…うん…」
良かった…そのまま寝てくれた…
翔「てか、雅紀一体…」
雅「来て!翔ちゃん」
翔「え!?ち、ちょっと雅紀…」
雅紀は突然俺の腕を掴み、自分の部屋まで連れてこられた
翔「ま、雅紀何?一体どうし…ん!?」
部屋に入った途端、雅紀にキスされていた
角度を変えて深く口付けられて、息が苦しくなり雅紀の胸を叩いた
翔「んぁ…はぁ…ま、さき…」
雅「…ここを出ていくってどういう事!?」
翔「…え?」
雅「さっき和と話してたよね?一体どういう事なの!?」
え!?話を聞かれたのか!?