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ひとつ屋根の下【気象系BL】

第62章 家族になろう(8)


和「気分を害されたらすみません。以前、潤くんが翔兄さんに対する気持ちがバレた時、潤くんがいなくなるのは嫌だったって言ってましたよね?なのに、自分は潤くんの前から姿を消そうとするなんて、身勝手な考えですよね?」

翔「…お前、ホントに言ってる事がキツいよな…」

和「事実を言ったまでですよ」

…その通りなんだけどな…

和「…翔兄さん、あのレコーダーの音声を聞いた時、雅紀兄さんもショックを受けてたんですよ」

翔「え?雅紀が?」

和「『いずれあの家を出ようと思ってる』って言ってたじゃないですか」

翔「あ…」

そういえば…あの時思わず言ってしまったんだ…

和「事情を聞かせて下さい。返答次第では、あの言葉は翔兄さんの誤りだったと言っておきます」

俺は観念して和也に話す事にした

翔「…松本の両親が亡くなる数ヵ月前かな…父さんが法律に詳しい友達と話してるのを偶然聞いたんだ」

和「…何の話ですか?」

翔「養子の子供にも、実子と同じように遺産を残せるのか…って…」

和「え?でも、それは法律上何の問題も…」

翔「うん。同様に分配できるよ。それを聞いた時、正直嬉しかった…父さんは俺の事、本当の子供のように思ってくれてるって…でも、ここまで育ててもらった上に、財産までもらう訳にはいかないと思って、高校卒業後に除籍したんだ」

和「遺産を全て潤くんに残すために?」

翔「そう…でも、潤の性格上この事を知ったら、どうにかして俺にも財産を渡そうとするだろ?だから姿を消そうと思ったんだ。潤の知らない土地でひっそりと暮らそうかな…ってさ」

和也は俺の話をひとつひとつ真剣に聞いてくれた

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