第62章 家族になろう(8)
翔「そういえば、よく気がついてくれたな。あのテープレコーダー」
和「ああ、警察でカバンの中を確認していた時、裏ポケットに隠すように入れてあったのを偶然見つけて、何かあるなと思って…」
翔「警察?」
和「公園のごみ捨て場にあったのを、ジョギング中の方が見つけて、警察に届けてくれたそうです」
翔「うげっ!」
ごみ捨て場?…あいつら、人のカバンをそんな所に捨てやがって…(まぁ、当然といえばそうなんだろうけど…)
和「安心して下さい。ちゃんと洗って消毒してますから」
翔「…ありがとう…」
…顔に出てたかな?やっぱ…
和「それより翔兄さん…今回は大丈夫でしたけど、気を付けた方が良いですよ」
翔「ん?」
和「警察から、カバンと衣類を預かってるって電話があったんですが『櫻井翔さんはご在宅ですか?』ってかかったんですから…」
翔「え!?な、何で!?」
和「恐らく、所有者を確認するために財布の中を見たのだと思います」
翔「あ!」
そうか、免許証と保険証!
和「今回はたまたま私が電話をとったので良かったですけど、もし潤くんだったら…」
翔「ごめん…気を付けるよ」
しまったな…その辺の所は気に止めてなかったな…
和「翔兄さん…」
翔「何?」
和「何故『櫻井』としてるのですか?」
翔「え?それは、俺が松本の籍を…」
和「でも、別に松本姓でも良かったのではないですか?わざわざリスクをおかしてまでも、櫻井にならなくても…」
翔「…それは…」
和「…もしかして、潤くんの元からいなくなるつもりですか?」
翔「・・・」