第61章 家族になろう(7)
雅「翔ちゃん…」
雅紀が俺に近づいてきたから、俺は思わずその場を離れようと駆け出した
雅「待って翔ちゃん!」
でも雅紀が早くて直ぐに捕まってしまった
翔「は…離して!」
雅「どうして逃げるの?俺は翔ちゃんを迎えに来たんだよ?」
翔「…帰れない…」
雅「え?」
翔「俺はもう…あの家には帰れない…こんな汚れた俺は、あそこに帰る資格はないんだ…」
すると雅紀は、俺の事を抱き締めた
雅「家に帰るのに資格がいるの?」
翔「雅…紀」
雅「俺は翔ちゃんに帰って欲しいと思ってここに来てる…潤もだよ。智兄と和も…だから、帰っておいでよ」
潤「翔兄さん…星児と輝も待ってるよ」
翔「星児と輝が…?」
潤「うん…特に輝は毎日『翔兄ちゃんはまだ帰って来ないの?』って泣いてる…輝の為にも帰って来て」
そうだ…俺は星児と輝の家族になるって言ったんだ…
翔「雅紀…潤…俺…」
葛「翔…」
翔「葛城さん…」
雅紀達と話をしている所に、葛城さんが来ていた
葛城さんは、俺の事を抱き締めたままの雅紀を睨んでいた
葛「…何だ?お前達は…」
雅「…俺は翔の恋人です」
葛「恋人だと!?」
翔「雅紀…」
葛「う…嘘をつくな!!」
潤「本当です。俺は翔兄さんの弟ですが、彼は恋人です」
葛「翔…本当なのか?」
俺は葛城さんの問いかけに黙って頷いた
葛「…なら、何故恋人をこんな所で働かせている!?見ず知らずの男に身体を売る仕事を!」
翔「葛城さん違うんです!これには…」
俺が弁明しようとしたら、雅紀が静止してきた