第61章 家族になろう(7)
葛城さんが俺を身請けしたいと店長に伝え、店長は翌日オーナーに話をしたらしい…
そのオーナーの答えはNOだった…理由は…
翔「俺が…一位?」
ハル「・・・」
店長「そうだ…実質的なNo.1はハルだが、今週だけの指名数では翔が一位だ」
オーナーは俺の指名数が高かった事で、身請け話を断るよう店長に言ったらしい…
ハル「まぁ、そうだろうね。皆新しい物好きだから、興味本意で指名してくるだろうし」
店長「ハル…言っておくが、翔はお前がここに来た時の指名数の倍以上だからな」
ハル「…っ!!」
翔「店長…止めて下さい。俺はそんな事に興味はありませんから…」
するとハルは俺の事を睨みながら
ハル「偉そうに…凄いねー翔さんは!葛城さんだけじゃなく、店長まで虜にして!どうやったらそんな事出来るのか教えてよ!」
翔「…ハル…お前もここのNo.1なら、それらしく毅然(きぜん)としていたらどうだ?俺みたいな新入りを僻(ひが)んでどうする?プロならもっとしっかりしろよ」
ハル「う…うるさい!僕に偉そうに説教するな!!」
そう叫んでハルは出ていった
店長「翔…そろそろ葛城様がご来店される時間だ」
翔「…解ってます」
俺はそのまま控え室から葛城さんを出迎えるために出た
その時受付で…
「ここにいる『翔』に会わせてください」
と言う声が聞こえた…
ーこの声…まさか…ー
声を聞いた途端、俺は身動きが出来なかった
受付「あ、翔…」
受付が俺に気付き声をかけてきた事でその人物はこちらに振り返った
翔「…雅…紀…」
雅「翔ちゃん!」
潤「翔兄さん!」
雅紀と潤が立っていた…